沖田総司の残した言葉から推測される沖田総司の性格

新撰組の一番隊組長・沖田総司は、薄命の天才剣士として有名です。

ここではその沖田総司が残した言葉から、あまり知られていない彼の性格についてご紹介します。

普段は優しいが、剣術には厳しかった沖田総司

沖田総司のイメージは、人当たりの良い好青年・剣術の達人・若くして夭逝した美剣士、そのようなものが多くなっています。

普段はニコニコしていた沖田総司でしたが、剣の指導を受けた者は「沖田総司は荒っぽくてすぐに怒る」と証言しています。

「太刀を損じれば、小刀を使いなさい。小刀を損じれば鞘で、鞘を損じれば素手で戦いなさい。戦場では誰も待ってくれないのです。」

これは有名な沖田総司の名言の一つです。

武器がなければ戦えない、そこでストップというのは、あくまで稽古の時のことであって、命がけの戦場では刀がないからといって敵は待ってくれません。

また「刀で斬るな、体で斬れ!」という言葉も残しています。

戦う際に一番大切なのは、刀などの武器ではなく、斬る人の気持ちが大切だということを伝えたかったと思われます。

いずれも厳しい言葉ながらも、門弟が命を落とさないようにしたいという優しい心遣いを感じることができる言葉です。

試衛館、新撰組そして近藤勇を生涯愛した沖田総司

「先生はどうされたのでしょう。お便りはきませんか?」

この言葉は、沖田総司が肺結核で新撰組隊士達と離れて療養している時に残した言葉です。

沖田総司の剣術の型は、師匠である近藤勇とそっくりで掛け声まで似ていたといわれています。

また、近藤勇や新撰組に対してあからさまに敵対した者に対して、容赦しないほど攻撃的になったとされています。

沖田総司がいかに近藤勇や新撰組に対して思い入れが強かったのかが、わかる言葉と逸話です。

新撰組が幕府の命によって「甲州鎮撫隊」として出陣する時に、近藤勇が沖田総司を見舞いに来ました。

普段は強気で明るい沖田総司が、この時だけ声をあげて泣いたという話も伝わっており、近藤勇と沖田総司の絆がいかに深いものであったかが想像できます。

最終的にこの時が永遠の別れになってしまうのですが、沖田総司は最期まで近藤勇の斬首を知らされないまま亡くなりました。

沖田総司は亡くなる間際まで毎日のように「先生はどうされたのでしょう。お便りはきませんか?」と繰り返していたと伝えられています。

沖田総司の辞世の句は「動かねば 闇にへだつや 花と水」です。

この句は、土方歳三が五稜郭へ向かうことを決めた時に詠んだ歌への返事だとされており、「自分が戦えないならば、もう土方さんとは会うことができなくなる」という悔しさと悲しみが込められています。

戦地へ赴く土方歳三に対してエールを送るような句ではなく、この頃にはもう自分や土方歳三、そして新撰組の終焉を認識していたのではないかと推測されます。

このような残された言葉から推測すると、沖田総司は剣術と新撰組そして近藤勇のことだけを考えて、短い人生を終えたのではないかと思われるのです。

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